short story
あの日の空は、晴れ
青空が広がり
人々は、いつものように過ごしていた
「お母さん、お弁当ありがとう」
「暑いのにごくろうさま」
「気をつけてね」
「建物疎開作業もいつまで続くのかしらね。。」
「お母さん、そんなことをいうものではないわ 兵隊さんはみんな大陸で頑張っているのよ」
「そうね」
恵子は、軍国乙女
日本が負けるなんて、思ってもいない
あの日の閃光を浴びるまでは。。
何事が起こったかはわかっていない
衣服はやぶれ、皮膚は焼かれ
よろよろと歩いて家を目指した。
途中、かろうじて被爆を免れた兵隊を見つけると
「兵隊さん、この仇を討って下さいね お願いします」
いまにも息絶えそうな姿なのに、健気に訴える恵子を見て
兵隊は、心で絶句した。。
恵子は、家まで歩くことは出来なかった。。
そして、その後
黒い雨が、広島の空から落ちてきた。。。
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暑い夏がやってくると
悲惨な戦争で命を落とした方々のことが心に溢れます。
この暑さの中、皮膚を焼かれた罪のない人々。
拙い文章ですが、読んで下さりありがとうございます